1[9]視,みよその望,のぞみは虚,むなし之,これを見,みてすら倒,たふるるに非,あらずや
2[10]何人,なにびとも之,これに激,げきする勇氣,ゆうきあるなし然,されば誰,たれかわが前,まへに立,たちうる者,ものあらんや
3[11]誰,たれか先,さきに我,われに與,あたへしところありて我,われをして之,これに酬,むくいしめんとする者,ものあらん普天,ふてんの下,したにある者,ものはことごとく我有,わがものなり
4[12]我,われまた彼者,かのものの肢體,したいとその著,いちじるしき力,ちからとその美,うるはしき身,みの構造,つくりとを言,いはでは措,おかじ
5[13]誰,たれかその外甲,うはよろひを剥,はがん誰,たれかその雙齶,ふたあごの間,あひだに入,いらん
6[14]誰,たれかその面,かほの戸,とを開,ひらきえんやその周圍,まはりの齒,はは畏,おそるべし
7[15]その竝列,ならべる鱗甲,うろこは之,これが誇,ほこるところその相,あひ闔,とぢたる樣,さまは堅,かたく封,ふうじたるがごとく
8[16]此,これと彼,かれとあひ接,つづきて風,かぜもその中間,あひだにいるべからず
9[17]一々,ひとつひとつあひ連,つらなり堅,かたく膠,つきて離,はなすことを得,えず
10[18]嚔,くさめすれば即,すなはち光,ひかり發,はつすその目,めは曙光,あけぼのの眼瞼,まぶた(を開,ひらく)に似,にたり
11[19]その口,くちよりは炬火,たいまついで火,ひ花,ばな發,はつし
12[20]その鼻,はなの孔,あなよりは煙,けぶりいできたりて宛然,あたかも葦,あしを焚,やく釜,かまのごとし
13[21]その氣息,いきは炭,すみ火,びを爇,おこし火燄,ほのほその口,くちより出,いづ
14[22]力氣,ちからその頸,くびに宿,やどる懼,おそるる者,ものその前,まへに彷徨,をどりまよふ
15[23]その肉,にくの片,ひらは密,みつに相,あひ連,つらなり堅,かたく身,みに着,つきて動,うごかす可,べからず
16[24]その心,しんの堅硬,かたきこと石,いしのごとくその堅硬,かたきこと下磨,したうすのごとし
17[25]その身,みを興,おこす時,ときは勇士,ゆうしも戰慄,をののき恐怖,おそれによりて狼狽,あはてまどふ
18[26]劍,つるぎをもて之,これを撃,うつとも利,きかず鎗,やりも矢,やも漁叉,もりも用,もちふるところ無,なし
19[27]是,これは鐡,くろがねを見,みること稿,わらのごとくし銅,あかがねを見,みること朽,くち木,きのごとくす
20[28]弓箭,ゆみやもこれを逃,にげしむること能,あたはず投石機,いしなげの石,いしも稿屑,わらくづと見做,みなさる
21[29]棒,ぼうも是,これには稿屑,わらくづと見,みゆ鎗,やりの閃,ひらめくを是,これは笑,わらふ
22[30]その下,した腹,はらには瓦礫,かはらの碎片,くだけを連,つらね泥,どろの上,うへに麥打車,むぎうちぐるまを引,ひく
23[31]淵,ふちをして鼎,かなへのごとく沸,わきかへらしめ海,うみをして香油,にほひあぶらの釜,かまのごとくならしめ
24[32]己,おのが後,あとに光,ひかる道,みちを遺,のこせば淵,ふちは白髮,しらがをいただけるかと疑,うたがはる
25[33]地,ちの上,うへには是,これと竝,ならぶ者,ものなし是,これは恐怖,おそれなき身,みに造,つくられたり
26[34]是,これは一切,すべての高大,かうだいなる者,ものを輕視,かろんず誠,まことに諸,もろもろの誇,ほこり高,たかぶる者,ものの王,わうたるなり