1[2]汝,なんぢ神,かみの前,まへにありては輕々,かろがろし口,くちを開,ひらくなかれ心,こころを攝,をさめて妄,みだりに言,ことをいだすなかれ其,そは神,かみは天,てんにいまし汝,なんぢは地,ちにをればなり然,されば汝,なんぢの言詞,ことばを少,すくなからしめよ
2[3]夫,それ夢,ゆめは事,ことの繁多,しげきによりて生,しやうじ愚,おろかなる者,ものの聲,こゑは言,ことばの衆多,おほきによりて識,しるるなり
3[4]汝,なんぢ神,かみに誓願,せいぐわんをかけなば之,これを還,はたすことを怠,おこたるなかれ神,かみは愚,おろかなる者,ものを悦,よろこびたまはざるなり汝,なんぢはそのかけし誓願,せいぐわんを還,はたすべし
4[5]誓願,せいぐわんをかけてこれを還,はたさざるよりは寧,むしろ誓願,せいぐわんをかけざるは汝,なんぢに善,よし
5[6]汝,なんぢの口,くちをもて汝,なんぢの身,みに罪,つみを犯,をかさしむるなかれ亦,また使者,つかひの前,まへに其,それは過誤,あやまちなりといふべからず恐,おそらくは神,かみ汝,なんぢの言,ことばを怒,いかり汝,なんぢの手,ての所爲,わざを滅,ほろぼしたまはん
6[7]夫,それ夢,ゆめ多,おほければ空,くうなる事,こと多,おほし言詞,ことばの多,おほきもまた然,しかり汝,なんぢヱホバを畏,かしこめ
7[8]汝,なんぢ國,くにの中,うちに貧,まづしき者,ものを虐遇,しへたぐる事,ことおよび公道,おほやけと公義,ただしきを枉,まぐることあるを見,みるもその事,ことあるを怪,あやしむなかれ其,そはその位,くらゐ高,たかき人,ひとよりも高,たかき者,ものありてその人,ひとを伺,うかがへばなり又,また其,それ等,らよりも高,たかき者,ものあるなり
8[9]國,くにの利益,りえきは全,まつたく是,これにあり即,すなはち王,わう者,しやが農事,のうじに勤,つとむるにあるなり
9[10]銀,ぎんを好,このむ者,ものは銀,ぎんに飽,あくこと無,なし豐富,ゆたかならんことを好,このむ者,ものは得,うるところ有,あらず是,これまた空,くうなり
10[11]貨財,もちもの増,ませばこれを食,はむ者,ものも増,ますなりその所有主,もちぬしは唯,ただ目,めにこれを看,みるのみその外,ほかに何,なにの益,えきかあらん
11[12]勞,らうする者,ものはその食,くらふところは多,おほきも少,すくなきも快,こころよく睡,ねむるなり然,しかれども富,とめる者,ものはその貨財,もちものの多,おほきがために睡,ねむることを得,えせず
12[13]我,われまた日,ひの下,したに患,うれへの大,おほいなる者,ものあるを見,みたりすなはち財寶,たからのこれを蓄,たくはふる者,ものの身,みに害,がいをおよぼすことある是,これなり
13[14]その財寶,たからはまた災難,わざはひによりて失落,うせゆくことあり然,さればその人,ひと子,こを擧,まうくることあらんもその手,てには何,なに物,ものもあることなし
14[15]人,ひとは母,ははの胎,はらより出,いでて來,きたりしごとくにまた裸體,はだかにして皈,かへりゆくべしその勞苦,ほねをりによりて得,えたる者,ものを毫厘,ひとつも手,てにとりて携,たづさへゆくことを得,えざるなり
15[16]人,ひとは全,まつたくその來,きたりしごとくにまた去,さりゆかざるを得,えず是,これまた患,うれへの大,おほいなる者,ものなり抑,そもそも風,かぜを追,おふて勞,らうする者,もの何,なにの益,えきをうること有,あらんや
16[17]人,ひとは生命,いのちの涯,かぎり黒暗,くらやみの中,うちに食,くらふことを爲,なすまた憂愁,うれへ多,おほかり疾病,やまひ身,みにあり憤怒,いかりあり
17[18]視,みよ我,われは斯,かく觀,みたり人,ひとの身,みにとりて善,ぜんかつ美,びなる者,ものは神,かみにたまはるその生命,いのちの極,きはみ食,くひ飮,のみをなし且,かつその日,ひの下,したに勞,らうして働,はたらける勞苦,らうくによりて得,うるところの福祿,さいはひを身,みに享,うくるの事,ことなり是,これその分,ぶんなればなり
18[19]何人,なにびとによらず神,かみがこれに富,とみと財,たからを與,あたへてそれに食,はむことを得,えせしめまたその分,ぶんを取,とりその勞苦,らうくによりて快樂,たのしみを得,うることをせさせたまふあればその事,ことは神,かみの賜物,たまものたるなり
19[20]かかる人,ひとはその年齡,よはひの日,ひを憶,おぼゆること深,ふかからず其,そは神,かみこれが心,こころの喜,よろこぶところにしたがひて應,こたふることを爲,なしたまへばなり